【歴史】ガラシャの観音~ある檀家さんの回想録~

「細川ガラシャの観音」

以前、驚きの話を教えてくださった檀家さまに、
お盆参りで1年振りにお会いする機会があったので、もう一度詳しく伺うことにした。

以下、証言である。

それは、現在90歳代になられたHさんがお嫁に来られてすぐ、つまり今から約70年ほど前の事。

当時長圓寺境内にあった観音堂の中に閻魔大王像があり、その奥に黒い厨子があったという。

当時の住職とその奥方からは、
「細川公から預かったといわれる大切な物。」
「絶対に厨子の中を見てはいけない。」と言われていたらしい。

その厨子からは異彩のような光を感じ、見ると十字架のような文様があったという。

当時、その観音像には教育委員会の文化財調査が入り、調査が完了したと住職から聞いたとの事。 

以上。


現在、厨子に入った観音像は長圓寺に存在しない。


わずかに残された史料として明治時代に書かれた寺院所有物の目録がある。

その中に書かれている仏像類と、現在残っている仏像を照らし合わせると・・・

2体の観音像が足りないことが、発覚した。いや、気付くのが遅すぎる・・・。



まず考えにくいが、戦後の大変な時期にまさか売却したのか?

あるいは昭和中期、ほぼ無住状態となった折に厨子ごと持ち去られてしまったのか?

今となってはわからない。

果たして、どのような観音像だったのか?

先日ネットニュースに、
盗まれていた仏像が京都で見つかり、元の福岡の寺院に返ってきたという奇跡が報じられた。

盗難に遭ったかどうかは何とも言えないが、
ほんの数十年前までは安置されていたという事実。。。一度でも手を合わせてみたかった。